降りしきる雨、真紅の番傘を差した少女は綿津見村の入り口に立っていた。

まるで血に染まったような差している傘より紅い髪に、このどよんだ天気の中でも輝く白銀の瞳

首から流れる一番長い髪の毛先には、紐で絡み結んだ鈴が下がっているが自然な動きのせいか音が鳴ることはない

彼女の肩には、鷹が鉤状の嘴と鋭い瞳で村を見据えていた



「・・・此処が、綿津見村・・・。」



彼女が肩に乗る鷹を撫でながら目の前に広がる村を、何の感情も感じていない瞳で見据えると

髪に付けられた鈴が初めてリンッと、音を鳴らし村へ足を進めていく



「ねぇ、何時になったら貴方の雨を晴らせることが出来るのかな?」



空を見上げれば降りしきる雨が、まるで彼の変わりに泣いている様に見えるのは気のせいですか?

想いを伝えられなかった、約束を果たせなかった自分を恨んでいますか?

穏やかな日々がこの世を包んでいるのに、毎年貴方がいなくなった日雨が降るのはどうしてなんだろう





、帰ってきたら言いたいことがある」

「だから、待っていろよ。」






克彦、あの時私に言った"言いたいこと"って何だったの?

貴方がいない世界をなんで生きなくちゃいけないの?

ねぇ、いつになったら私の雨は止むんだろう・・・・。






涙の意味

(泣かないで、愛しい人。君を打ちつける雨は僕が晴らすから、)